高血圧、糖尿病、脂質代謝異常があると、突発死のリスクが大幅に上がるため名づけられました。これに肥満、喫煙が加わると5重奏といわれます。 〇 高血圧症 日本人は元々塩分を多く摂っており、1日あたり平均男性で11.1g、女性は9.4g摂取しています。厚生労働省の指針では男女ともさらに2〜3g減らす目標が掲げられております。塩分過剰摂取に不眠、ストレス、喫煙、アルコール、肥満などがあわさることで血圧が高くなります。高い血圧は慢性的に血管への負担がかかることから脳卒中、心臓発作が起きやすくなります。 〇 糖尿病 膵臓から分泌されるインスリンが減少したり働きが悪くなることで血糖値が高くなります。ブドウ糖が有効活用されないため全身の臓器の働きが悪くなります。進行してくると小さい血管を中心に障害を受けるため、目(視野異常、失明)や足指の血流障害(壊疽)、腎臓病(人工透析)などが起きてしまいます。原因としては食事と運動、間食習慣、嗜好品(甘味、アルコール)、遺伝的要因などがあげられます。低血糖発作は寿命に影響するために投薬治療に工夫が必要です。 〇 脂質代謝異常症 血液中の脂質が多いために引き起こされる疾患です。余分な脂質が多いと動脈壁の肥厚と硬化を来し、血栓形成を誘引します。これに高血圧があわさることで頭や心臓へのリスクが高まります。脂質が高くなる原因としては、カロリー過多の食生活と運動不足、遺伝的素因などがあげられます。 動脈硬化の進展については血液検査、頸部超音波検査や血管年齢測定で経時的な評価を行います。 |
〇 かぜ症候群 一般に鼻腔から喉頭までの気道を上気道といいますが、かぜ症候群は、この部位の急性の炎症による症状を呈する疾患をいいます。かぜ症状群の原因微生物は、80〜90%がウイルスといわれています。患者のくしゃみなどで飛散する飛沫を介してウイルスなどの病原体が、気道内に入って気道粘膜に付着し、侵入と増殖することから始まるとされています。、安静、水分・栄養補給により自然に治癒するためにウイルスに効果のない抗菌薬は不要です。肺炎マイコプラズマなど一部の細菌感染においては抗生剤処方を行います。 〇 インフルエンザ(A型、B型) 例年冬場にピークをむかえるインフルエンザもかぜ症候群に含まれます。しかし症状が重症化しやすいことから研究が重ねられ、検査キットや抗ウイルス薬も開発されました。ただしウイルス側も子孫を残すため遺伝子変異をすることで生き残りを図っています。子を持つ親の心境からすると複雑な気持ちにもなりますが、感染拡大を防ぐためにもぜひワクチンを受けて頂き、咳エチケットや手洗い励行していただければと存じます。また、抗ウイルス薬への耐性獲得を防ぐためにも漫然とした抗ウイルス薬の処方は控えるべきとの指摘もあります。 |
植物の花粉が、鼻や目などの粘膜に接触することによって引き起こされ、発作性反復性のくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの症状が特徴です。のどの症状や喘息様症状、副鼻腔炎が生じることもあります。血液検査でアレルギーチェックが可能です。マスク、ゴーグル等で花粉の回避を行いながら、抗アレルギー薬の服用、局所アレルギー薬や局所ステロイド薬等で対処します。 |